浜松町こころのステーション・クリニック

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大人の発達障害

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大人の発達障害

 大人の発達障害

発達障害とは、生まれつきの脳機能の発達に偏りと、その人が過ごす環境や人間関係とのミスマッチから社会生活に支障をきたす障害です。
発達障害の原因はまだ解明されていません。幼少期から特性がみられますが、社会に出てから苦手な部分が明らかとなり、発達障害とわかることがよくあります。
また、コミュニケーションが上手く取れない事が原因で、うつ病などの二次的な精神障害をともなうこともあります。

発達障害は主に、

  • 自閉スペクトラム障害(ASD)
  • 注意欠如・多動性障害(ADHD)
  • 学習障害(LD)

の3つのタイプに分類されます。

診断について

当院では詳細な問診や複数の心理検査を行なって十分に検討した上で最終診断としています。初診時のスクリーニング検査で疑いが強い、もしくはご本人が希望される場合は、専門の心理士が入念に時間をかけて問診・検査を行います(カウンセリングに準拠した料金となります)。一部のクリニックでは初診時に発達障害と診断し処方する例もみられますが、薬剤の必要可否や用量は十分な判断のもと決められるものです。詳細はお問い合わせ下さい。

自閉スペクトラム症(ASD)

特徴として、社会性の障害、コミュニケーションの障害、想像力の障害がみられます。広汎性発達障害、アスペルガー症候群などをすべて含んだ概念になります。

症状

1.社会性の障害
相手の気持ちを理解し、その場の雰囲気に適した言動をすることに困難があり、人とうまくかかわることができません。相手の立場を考えない、共感しない、マナーを理解しない、思い込みが激しいなどがみられます。
2.コミュニケーションの障害
話すことや表情によって表現することと相手の話を聞くことや表情で理解することの両方に困難がみられます。無表情で抑揚なく話したり、冗談や皮肉、お世辞が理解できず言葉の意味どおりに捉えてしまうことがあります。
3.想像力の障害
同じ行動、同じ手順を繰り返す、興味があるものが限定されるなど「こだわり」とよばれる行動がみられます。次に起きることを推測できず、ものごとの流れを読むことや見通しを持つことが難しいこと(想像力の障害)から生じると考えられます。変化に対して柔軟に対応できず、ひどく混乱した状態におちいることがあります。
4.感覚の異常
どんな音も同じ強さに聞こえて、聞きたい音に注意を向けることができず、騒音を嫌がる人がいます(聴覚過敏)。横目でものを見るなど視覚の異常、偏食の激しさなどの味覚異常などすべての感覚で変化がみられます。

治療

  • 必要に応じて社会技能訓練(SST)など社会心理的な治療を受ける
  • 苦手なことを過剰に頑張ろうとはしすぎず、得意なことに集中できる環境を作る
  • 必要に応じて自分の特徴を周囲に伝える

などが重要となります。二次障害を併存している場合は薬物療法が行われることがあります。

注意欠如・多動症(ADHD)

「不注意」「多動性」「衝動性」の3つを主な特徴とする発達障害です。注意欠陥・多動性障害とも呼ばれます。症状が子どもの頃から持続して存在し、その症状のために職場や家庭での生活がうまくいかない場合に診断されます。大人になるともともとの傾向は変わらないものの、症状の一部(特に「多動性」)が目立たなくなる人もいます。
ADHDは意志の弱さやわがままな性格から生じるものではありません。詳しい原因はまだわかっていませんが、注意や行動をコントロールする脳の働き(実行機能)の弱さが関係していると考えられています。また脳の神経伝達物質であるドパミンやノルアドレナリンの働きが不足し、不注意や多動性が生じていると考えられています。

不注意
集中力が続かず、注意が散漫。うっかりしたミスが多い、会議に集中できない、仕事を先延ばしにする、整理整頓ができない、忘れ物が多い、ものをよく失くす、スケジュール管理ができないなどの形であらわれます。
多動性
落ち着きなく、過活動。じっとしているのが苦手、すぐに席を離れる、落ち着かない、貧乏ゆすりをする、しゃべりすぎるなどの形であらわれます。
衝動性
行動を抑えることができない。思ったことをすぐに口にしてしまう、深く考えずに行動に移してしまう、順番をまてない、衝動買いなどの形であらわれます。

治療

治療はADHDの症状により、日常生活での困難さを減らすことを目的に行います。

心理社会的治療

環境調整や認知行動療法などが行われます。
苦手なところを補うために「大事なものは忘れないようにバッグインバッグにまとめて入れておく」「スマートフォンのリマインダー等を使って、予定を忘れないようにする」「机の周りに余計なものは置かないようにし、気が散らないようにする」といったものがあります。
「自分の苦手なこと」「得意なこと」の詳細を知り、「どういう状況で自分は能力を発揮できるのか」を理解していくことが大切となります。

薬物療法

ドパミンやノルアドレナリンの働きを高める作用をもつ薬剤がADHDの症状を改善します。
大人のADHDではメチルフェニデート徐放剤(当院では処方していません)やアトモキセチン、グアンファシンが用いられます。ADHDの症状が抑えられ、過ごしやすさを感じることができます。服薬は生涯続くものではありません。良い習慣や生活の工夫が身につき、環境にうまく適応している状態が維持されていれば、服薬の終了は可能です。